会社勤めをしている頃は、自分の過ちや弱点を指摘してくれる上司がい
て、何か壁にぶつかった時に相談できる先輩がいて、自分の考えに固執
することなく周りの人の意見を取り入れていかないとやってはいけない世
界でした。まさに周りがあって自分がいるという環境でしたが、個人経営、
特に家族経営の場合では、会社勤めの頃とはまったく違う環境で、自分
の意思決定である程度物事を進めることができることもあり、気がつかな
いうちに自分の考えにとらわれ、視野が狭くなり、結果自分の考えこそが
正しいという、ある意味傲慢な考え方になってしまいがちです。
松下幸之助の言葉に「衆知の力」があるように、個々の知恵というものは
所詮わずかなものであって、個々の知恵を集めた状態でこそ、すぐれた
アイディア・発想が生まれるという言葉がありますが、まさにその通りで独
善的な考えや行動をしている限り、その先自分自身の成長や会社の成
長は全く望めなくなるでしょう。
小さなプライドは捨てて、自分の目標のために、素直に周りの人の意見
に耳を傾けることができる人間こそが、本当のプライドを持った人間。
うちの嫁さんが言っていた言葉ですが、本当にその通りだと思います。
家族経営をやっていく上での一番の落とし穴は、このような考えに陥って
しまうことかもしれません。
普段からよくよく気をつけていかないといけないと改めて感じました。