VMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)の最近の業績報告は、注目すべき厳しい状況が反映されています。2025年の上半期、純利益は前年同期比22%減の56億9800万ユーロ(約9800億円)となりました。この減少は、主要市場である中国と米国の景気低迷が大きな要因です。特に、高額消費に対する警戒感から、消費者の支出が抑制されたことが影響しています。
LVMHは「ルイ・ヴィトン」や「フェンディ」、「ロエベ」などの有名ブランドを抱えるファッション・レザーグッズ部門で売上の減少が顕著で、売上高は8%減少し、営業利益も18%減少しました。また、ワイン・スピリッツ部門や香水・化粧品部門でも減収減益が続いています。
アジア市場では中国の不動産不況が長期化し、高単価ブランド品への支出が減少しているほか、米国市場でもトランプ政権の関税政策が景気の不確実性をもたらし、高級ブランド品の消費が冷え込んでいます。
今回、LVMHは米国テキサス州に新工場を設置する計画を発表しましたが、既存の生産施設では職人の不足などにより稼働率が低い状況です。これにより、今後の業績にどのような影響を与えるかが焦点となります。
高級ブランド業界全体が厳しい状況にある中、LVMHがどのように課題に対応し、成長を維持していくのかが今後注目されるところです。
また、高級ブランド業界全体の一次マーケットでの売上減少が、セカンドマーケットに今後どのような影響を及ぼすのか、注視していきたいと思っています。