
近年、記録的な貴金属価格(特に金)の高騰で、**「売ったあと税金どうなるの?」**という質問が本当に増えました。
その中でも、いちばん誤解が多いのが “200万円” と “支払調書” の話です。
そもそも「金地金等の譲渡の対価の支払調書」ってなに?
ざっくり言うと、
金地金等(=インゴットや金貨など)を買い取ったお店側が、一定の条件に当てはまる取引を税務署へ報告する書類
です。
国税庁の説明では、平成24年(2012年)1月1日以降、金地金等の売買を業として行う者が国内でそれらの譲渡を受け、200万円超の対価を支払う場合に、税務署へ支払調書を提出する仕組みが導入されています。
ここでいう「金地金等」=何が対象?
ここが超重要です。
法律(所得税法224条の6)上、「金地金等」は
金または白金(プラチナ)の地金
金貨または白金貨(プラチナコイン)
と定義されています。
国税庁の支払調書(記載要領)でも、種類の記載例は
**「金地金」「白金地金」「メープル金貨」「イーグル白金貨」**のようになっていて、ジュエリーは想定されていません。
お客様がよく勘違いするポイント:ジュエリーは支払調書の対象?
結論:通常のジュエリー(ネックレス・指輪など)は、この“支払調書(200万円超)”の対象には含まれません。
実際に大手の案内でも、支払調書提出の対象は
**金地金/プラチナ地金/金貨/プラチナコイン(+純金積立の現金化)**で、銀地金や貴金属ジュエリーは対象外と明記されています。
「じゃあ、ジュエリーを200万円以上売っても大丈夫?」の答え
ここ、誤解がもう一段あります。
支払調書の対象外 = 税金が絶対かからない、ではありません。
支払調書はあくまで「お店側が税務署に出す報告書」。
税金は別枠で、基本は “利益が出たかどうか” がポイントになります。
なので、店頭でよくある会話はこんな感じです。
お客様「ジュエリーをまとめて売って200万円超えたらまずい?」
店主(私)「“支払調書の200万円”の話なら、対象はインゴットや金貨など。ジュエリーは基本そこに入らないですよ」
店主(私)「ただし税金は“支払調書とは別”なので、利益が出てるかは確認しましょうね」
まとめ:200万円で心配になるのは“地金・金貨”のほう
支払調書(200万円超)の対象になり得る:
インゴット、バー、地金型プレート、金貨・プラチナコインなど
通常は対象外:
ネックレス、指輪などのジュエリー(貴金属ジュエリーは対象外という案内あり)
質屋店主としてのひとこと(お客様へ)
「200万円超えたら税務署に通知されるんでしょ?」と不安になる気持ちはよく分かります。
でも、まずは “何を売ったのか(地金・金貨なのか、ジュエリーなのか)” を分けて考えるだけで、心配の7割は整理できます。