昔からモノ作りを大事にしてきた日本の職人は、モノづくりのための道具を供養していました。現在でも越前漆器、土佐刃物など各地で供養がされていて、モノには心があり、魂が宿っているという想いが現在まで続く日本人の精神として受け継がれています。
戦後の資本主義の影響で、世界規模で大量生産、大量消費の時代が続きましたが、限りある資源の無駄遣いや環境問題が昨今の世界の議題で取り上げられるようになり、その行き過ぎた消費社会を変えようと、日本国内でも動きができつつあります。
すなわち手作りで時間をかけて品質の良いものを作り、素材の良さやモノづくりへの情熱を消費者に訴えることで、受け入れてもらおうという動きです。
モノを大事にする精神は質屋の業務にも少なからず関わっています。
リサイクル業務を通じて人から人へモノを受け継いでいくことや、お客様の大事なモノをお預かりすることも「モノを大事にすること」に繋がっていきます。
大量生産、大量消費時代が終わりを迎えつつある中で、改めてモノを大事にするということはどういうことか、質屋に携わっている人間として真剣に考えてみようと思います。