ルビーには、着色成分としてクロム(CrO3)を含むので、紫外線に反応します。
ルビーの天然か合成かを見極める方法の一つとして、紫外線を当てることによる反応を見ることが有効です。
天然のルビーは、長波紫外線(365nm)に対しては、「強い赤色蛍光」~「普通の赤色蛍光」を発します。特に質の高いミャンマー産のルビーは、「強い赤色蛍光」を発します。逆に、タイ産のルビーは、ルビーに含まれる鉄分によって蛍光が抑えられるため、
「弱い赤色蛍光」を発します。
合成ルビーも着色成分としてクロム(Cr2O3)を含むので、紫外線に反応しますが、天然ルビーとの違いは、人工的により良いルビーの色を出すために、できるだけ不純物を含ませてない点にあります。そのため、長波紫外線では常に「強い赤色蛍光」を発します。
また、短波紫外線を当てると、天然では紫外線の波長が弱いため、「弱い赤色蛍光」を発しますが、合成ルビーでは「普通の赤色蛍光」を発します。
また、合成ルビーの場合は内包物の特徴が天然ルビーとは異なるため、先ほどの紫外線の反応と合わせて宝石の内部特徴を確認することで、天然か合成かの見極めがよりしやすくなります。